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人生で、自己紹介ほど多く行うものは、他にはあまりない。それにも関わらず、自己紹介が上手い人間というのも、それほど多くない。 大抵は、名前・所属に、専門や仕事の内容、後は趣味やら出身やらを言うだけでお茶を濁す。就職活動なら、それに「自己PR」や「御社を希望した理由」を加えるくらいが、月並なところである。 趣味や出身がうまく合えば話も弾むが、そんなラッキーヒットはそうそう出るものではない。自己紹介で場を盛り上げるのは、なかなか難しいものである。 師曰く、「そんなんじゃ面白くないよ。哲学的な自己紹介にしなきゃ」と。 しかし、「私は、愛とは何か、というテーマについて考え続けている人間です」、「自分は、『老子』に新しい注釈を施し、キリスト教の神学体系にそれを矛盾無く取り込むことをライフワークにしています」等々といったことは、普通にあるものではない。 それに、哲学的に考え出すと、うっかり「“自己”っていうけれど、もし手足が切り落とされても“私”は“私”なんだから、じゃあ手足は“私”に入らないのかな。“私”ってどこまで“私”なのかな。紹介すべき“自己”って何なのかな」という話にもなりかねない。 そういえば、かつて私は二十歳の頃、「我」という文章を書いた。見返してみると、なかなか哲学的に「自己」というものについて紹介しているので、ここに全文を示してみる。
弱冠の時分に書いたとは思えないほどよくできている。尤も、「自己」を「紹介」した文ではあるけれども、これを「自己紹介」として認めてくれる方は少ないだろう。やはり、きちんと、「平澤歩」について紹介せねばなるまい。 ![]() ある日、飲み屋で知り合った人に名刺を渡すと、このように言われた。 「最近のビジネスマンは、人から名刺をもらうと必ずやることがある。それは、家に帰った後に相手の名前をググって、何をしている人なのかを調べること。」 「ググって出てこなかったら、どうするんですか?」 「そうしたら、その人の社会に於ける影響力が非常に小さい、ということだな。」 この姿勢には多少の問題を感じるが、しかし、グーグルで検索するというのは、確かに有用な手段である。そこで、私の名前を調べてみよう[6]。 ![]() ついでに、ヤフーでも調べてみよう。 ![]() こうして得られた情報を総合すると、「平澤歩」というのは、以下のような人物となる。 <学術> ・2005年10月、「ブラックホール連星のvery high stateにおける降着円盤の状態の分類」という題目で学会発表。 ・2006年度に『「すざく」衛星を用いた弱磁場中性子星における質量降着流の研究』という修士論文を提出。 ・2007年5月、「兵器開発・生産における日米の補完的一体化」という論文を発表。 ・同年7月、「ミサイル防衛 日米軍事産業の補完的一体化」を発表。 ・同年11月、「ミサイル防衛の攻撃的性格と軍産複合体」を発表。 ・2008年2月、『「五感で学ぶ東アジアの伝統文化」報告集』編集に参加。 ・2010年7月、「修母致子説について――漢朝正統論から生まれた経典解釈」という題目で学会発表。 <職業> ・渋谷区広尾で靴屋を経営。 ・新日鉄マテリアルズの子会社日鉄コンポジット(本社・東京都中央区)の社長。 <趣味> ・2005年6月、「ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV1041」他をオルガンで演奏。 ・同年11月、「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」他をオルガンで演奏。 ・2006年12月、第6回札幌地区中学生バドミントン団体戦大会に出場。 如何であろうか。以上の情報は、私がどのような人間であるかを知る上で、大きな助けになるのではなかろうか。 私の力量不足により、「哲学的な」という要求を十分に満たすことはできないが、これを以て我が「自己紹介」としたい。 (2010.9.14) |