トップ音楽>「小さな世界+琉球音階」


 2009年6月、老師が61歳を迎えた。この曲は、その誕生日のために作ったものである。「作った」といっても、旋律は「小さな世界」で、それに「ヨナ抜き」ならぬ「ニロ抜き」の琉球音階による伴奏を附したに過ぎないのだから、正しくは「編曲した」のである。 あまり複雑なことは考えなかったのだが、長3度のパワーによってグングン上がっていく感じに仕上がった。
 老師は「小さな世界」が大好きで、「葬式の時にはこれを流してくれ」とまで言っている。とにかく歌詞が良いとのこと。 私はもうあまり思い出せなくなっていたが、調べてみれば、納得。「世界中誰だって、ほほえめば仲良しさ」「世界は一つ」のくだりは、老師の目指す世界像そのものである。 お気に入りになるのも、無理はない。
 いい歳になって「小さな世界」だなんて子供っぽい、と言われるかもしれない。しかし、真理が常に大人っぽいことだとは限らない。 子供向けの曲にも、真理が宿っているのかもしれない。それどころか、最後には赤子の心に立ち返ることによって悟りが得られる、という話だってあるくらいだ。
 そういえば、老師は還暦の時、このように言っていた。
「これで一周したから、0歳から再出発だ。」


(2010.9.16)

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