トップ音楽>「小さな世界+増二度的音階」


 これも、2009年に作ったものである。やはり琉球音階伴奏版と同様、「作った」というよりは「編曲した」が正しいところである。 伴奏には増二度を多用し、途中では増四度も交え、全体的に不気味なエキゾチックさを漂わせてみた。
 高音部は「小さな世界」の旋律から一音たりとも変えていないのだが、ここまで変な伴奏を附すと、少し別の旋律のようにも聴こえて来る。 低音の進行がいびつだから、それを背景に進む高音部でも、音と音との高低感覚が狂うのかもしれない。あたかも錯視のように。
 ところで、話題は変わるが、ディズニーという会社は著作権にうるさいらしい。まさかこんなサイトまで見に来るとは思えないが、 念のため、ミッキーマウスそのままの画像を掲載するのは控えた。このように不自由は強いられるが、しかし、ディズニー社 の方針も強ちヒステリックなものとは謂えないと思う。
 これは日本での事情だが、最近の調査によると、 「桃太郎がお供に連れて行ったのは誰か」という問題に対する小学生の正答率が急激に下がって来ているらしい。どうも、あまりにアレンジ ものが増えて、しかもそれを親が面白いと思って小さい子供に話すから、伝統的な常識が着く前に、変なイメージが定着してしまうとか。 おじいさんとおばあさんを連れて鬼退治に行ったって、足手まといだろうに。
 つまり、ミッキーその他について、おかしなイメージが着かないように管理を徹底するという方針は、 決して的外れではないのである。油断すれば、「桃太郎」の二の舞になりかねない。特に、世界中のディズニーランドの間で連絡を取り合って「ミッキーは世界に一匹」を厳守し、 子供の前ではたとえ池に落ちても気ぐるみを脱がないようにまで厳命しているディズニー社のことである。滑稽に見える努力をしてでも、 キャラクターイメージを守り切らなければならないのだ。
 ただ、ディズニー社は、自社のキャラクターを大事にする一方で、民話の類を色々加工した映画を作ることも、数多く行っている。ちょっと、ダブルスタンダードかもしれない。


(2010.9.16)

上に返る