トップ写真>平成22年度卒業式

 去る3月24日夕刻、あづま大学(以下「T大」)所属の有志によって、卒業式が虚構挙行された。

   

 ことの発端は、T大が余震や電力不足にヒヨり、卒業式を大幅縮小したことにある。本部の説明に拠れば、「小柴ホール」で挙行、各研究科の総代が出席、とあるが、実質上は要するに中止ということである(T大公式HP「平成22年度学位記授与式及び卒業式について」2011年3月17日付)。良心的に考えれば、学生を数千人集めている際に万が一の事態が生じると、責任を取れないということであろう。
 しかし、もし仮に、節電や「自粛」のためであったとしたら、頂けない。前者であれば、それは東大の卒業式が、電気を敢えて使って行うほどの価値が無いもの、ということを自ら曝露するに他ならない。そんなものなら、普段から行わなければ良い。
 後者であれば、実にくだらない。戦時中の大政翼賛的な姿勢への反省からスタートしたはずの戦後T大が、70年を経て逆戻りしたということになる。政治や世間の空気に「右に倣え」をせず、自らできちんと「何に価値があるか」を見出だそうと考えるのが最高学府の役目であるはずだ。「未曾有の危機」の中だからこそ、なおさらに、「ここで一発、卒業生一同の前で素晴らしい訓辞を垂れて、逆境に立ち向かって行く諸君の栄養にしてやろう」という気概が欲しい。それがエリートを養成する教育機関の務めであろう。
 卒業式は決して遊びではない。アカデミックガウンや振袖といったコスプレのために設けるものではない。総長・理事・学部長の持てる叡智を叩き付けて送り出す、大学教育最後の舞台である。代表だけが参加し、残りはインターネットでライブ中継を見る(ことができる)などというもので、それが可能だろうか。

 ということで、庵主は卒業式を企画した。

 まずは、学位記の作成から。これは社長が請け負ってくれた。以下、その写真である。

・全体的にはかなり本物に似たレイアウト。
  

・一応、「学位記予定票」。ついでにカエルさんマーク。
  

・「学部長 平澤歩」の認定により、「学位が授けられると思う」という文面。「濱田純一´」氏による署名付き。
  
  


 そして、式を挙行。場所はもちろん安田講堂前である。

・学位記授与
  

・総長訓示
  

・卒業生答辞
  

・記念撮影
  



 その後、宴を催す。
   

 何故か総長が3人。
   


 しかし、今年の卒業生は、実に数奇な代であった。
・意気揚々と入学し、最初の年の学園祭では「はしか騒動」。
・大学二年生になると「リーマンショック」で家計がピンチ。
・大学三年生から就職活動を始めるものの、「就職氷河期」の中でなかなか内定を取れず。
・ようやく進路も決まり、まもなく卒業という時になって、「式典縮小」(実質は中止)。
 きっと、打たれ強くたくましい社会人となるだろう。


 ところで、二次会に移ると、一人、「駒場王」と名乗る青年が現れた。以下は、彼の用意した紙芝居。
   
   
   
   
   
   

(2011.3.29)
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