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  A.ウィルシャー:「私のベートーヴェン」
 Andreas Willscher: ‘Mein Beethoven’ ? a Concert Rag for Organ


 この曲は、2009年にヨハネス・ゲファート氏の演奏会で知ったものである。その時、私はゲファート氏の脇でストップ引きを手伝っていたのだが[11]、この曲が始まると笑いがこみ上げて来て、我慢するのが大変だった。
 演奏会が終わると、ゲファート氏がこの曲の楽譜をくれた。氏は、書き込みがいくつかあるのを気にして、消しゴムで消そうとしていたが、書き込みがあった方が演奏の助けになるのだから、私にとっての都合は良い。何より、この愉快な曲が手に入った喜びに対しては、書き込みの有無など大した問題ではない(が、ゲファート氏のサインは頂いておいた)。
 いざ自分で弾いてみると、ゲファート氏が演奏していたものほど面白くない。氏の演奏には、正確なリズム感と、瀟洒なスウィングが利いていた。譜面通りに弾くのは簡単だが、如何に楽しく弾くかというのが、問題となるのである。
 音を楽しむ道はまだまだ遠い。

(2010.9.15)

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