トップ写真>反白色テロル大連帯

 12月である。例の祭典もいよいよ佳境に入って来た。街中が浮かれ出すこの時期に、

  12.24白色反革命=「Xマス」を
  内乱的死闘のXデーに転化せよ!


という名文を叫びまわった団体がかつてあった。反白色テロル大連帯である。







 これらのビラは、駒場寮遺跡[37]から発掘されたものであるが、非常によく出来ている。何がよく出来ているかというと、学生運動的文体をよく模倣しているのだ。「彼らが闘いの裏切り者でなくてなんだろうか。彼らと我々を隔てるものは「感覚の違い」ではなく、与する階級の違いなのである!」「すべての闘う学友・人民諸君! 階級的同志諸君! この闘争に勝利せよ! 武装し戦う大連帯万歳!」といった口調は、まさしく往時の学生運動を思わせる。画像をクリックすると文面まで読めるサイズになるはずなので、よく鑑賞して頂きたい。


 マルクス主義というのは、その主張する内容の是非はともかくとして、もはや古典と謂えるものであり、市民として身に着けておくべき教養である(当サイトでも『共産党宣言』のパロディを作成している)。
 そして、それを日本で実現しようとした学生運動も、紛れも無く日本史の一コマである。更に、日本史の一コマであるのみならず、その活動は現在でも細々と続いており、彼らの機関紙は今でも定期的に発行され続けている[38]

 「資本主義にとどめ刺せ」「2010年国鉄決戦に勝利し プロレタリア世界革命へ」(『前進』2010年1月1日号)
 「革命の火薬庫・沖縄に火をつけ 民主党・連合政権を打倒しよう」「危機に立つブルジョアジーの階級意思の凶暴さ」「資本主義とそれを支える労働貴族」「国鉄決戦で民主党政権を打倒し プロレタリア革命勝利を開こう」(同1月18日号)
 「1・24労学統一行動に総決起せよ」「われわれは、「オバマジョリティ」に飲みこまれた広島の既成指導部翼下の「反核」運動を乗り越え、米―中・露の新たな革命的反戦闘争を創造するために奮闘しなければならない」「京浜工業地帯のど真ん中から労働運動の危機突破の炎を」「帝国主義打倒! スターリン主義打倒!」(『解放』2010年1月18日号)

……もはや、彼らの頭の中にこそ革命が必要なのではないか、と思われるほど、かの時代から何も変化していない文面である。ともあれ、かつての学生達がこのような語調・文体を使って理想を叫び、社会に変革を起こそうとしていたこと(及び、現在でもそれを続ける人たちがいること)は、日本人として知っておかねばならない。


   上に掲載したビラの作成者は、こうしたことをきちんと踏まえた上で、それをクリスマス批判のパロディにしたのだから、相当の教養の持ち主だ。彼を称える意味でも、今年の12月下旬の例の日は、これらのビラを複製・配布したいと思うのだが、如何であろう。賛同者・協力者を募る。
(2010.12.1)
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